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センターの歴史

1.青梅市ボランティアセンター創設期

70年代後半、「ノーマライゼーション」や「在宅福祉」といった考え方が広まり、各地域のボランティア・センターでは、住み慣れた地域で暮らしたいという高齢 者・障害者等を支援するボランティア活動に力を入れていく事になります。
75年には、厚生省が市区町村の社会福祉協議会(以下「社協」と略)にボランティア・センターの設置を進めるため「祉会奉仕活動センター整備事業」を開始。東京都はこれを受け、翌76年から「地区ボランティア活動推進事業」を実施するなど、高齢化社会への対応のため、地域福祉を担うボランティア活動の普及拡大に力を入れ始めた時期でした。
当時の社協ではボランティア活動の担当者を置いていたところは少なく、VCと は言っても担当者の机だけという所がほとんどで、主婦層を中心に「ボランティア」として登録し、福祉施設からの奉仕活動の要請や、在宅の高齢者・障害者からの需要を受けて、調整するといった活動が中心でした。
青梅市社会福祉協議会(以下「青梅市社協」と略)も、78年に社協事業を兼任する職員―名という体制でボランティア活動の推進が始まりました。当初は「ボランティアグループに対しての資金援助」を中心とした活動を行なっていました。
一方、既に自主的に活動を始めていたボランティアグループや、福祉以外のボランティア活動を行なっている人々が青梅市ボランティア・センター(以下「青梅市VC」と略)に関わる事は、まだあまり見られませんでした。

2.「福祉のまちづくり」をめざすボランティア・センターの設置

85年、高齢化社会の進展と地域福祉の必要性、市区町村社園の法制化等を背景に、厚生省は、75年から行ってきた市区町材社協VCへの助成(社会奉仕活動センター事業)を廃止し、新しく「ボランティアのまちづくり推進事業」(ボラントピア計画)をうちだしました。
ボラントピア計画は、市区町村社会福祉協議会のボランティア事業に対し、国・都・市が2年間、1,000万円を補助し、その間に「ボランティア活動の基盤となる人的・物的諸条件を整備しコーディネータの配置・VCの設置、地域住民のボランティア活動への参加促進と活性化を図り(ボランティア推進協議会の設置)、地域社会に置けるボランティア活動が永続的かつ自主的に展開できるようにする事(ボランティア基金の設置等)を目的」としたものでした。
この計画は、行政によるボランティア活動の取り込みにつながる、との批判もありましたが、それまで各地区のVCで、まちまちだったポランティア活動推進の取り組みを、(1)市民啓発推進、(2)養成研修、(3)登録斡旋、(4)ボランティア組織化、(5)活動基盤づくり、の5つの柱に整理し、VCのモデル事業を明らかにしたこと、また、これらの事業実施のために、専門性を待ったボランティアコーディネーターの配置が明示されたことに大きな意味がありました。
当時もまだ市区町村レベルの社協でボランティア担当の「専任職員」を置いているところは少なく、この計画で補助対象に人件費が計上されコーディネーターの配置が示されたことにより、市区町村社協にも専任の「ボランティアセンター担当職員」が置かれ、「奉仕活動センター」から「ボランティア・センター」への転換が始まりました。

青梅市の場合は、81年8月、青梅市長より諮問のあった「福祉ボランティアのありかた」を青梅市生涯教育審議会が検討をし、82年9月に答申しました。 
この答申を受ける以前から、青梅市社協ではボランティアの普及に努め、77年にはボランティア教室、83年度ボランティアスクール(計5回)、手話講習会、点字講習会を開始しました。  さらに、答申ではボランティア・センターの設置を急務とし、行政の全面的な協力のもと、福祉センター2階の一部屋を提供することとなりました。 
84年3月9日役員会、3月16日評議員会で、84年度から東京都地区ボランティア推進事業の指定を受けて、ボランティア・センターを開設することが了承されました。
95年6月にはボランティア活動の普及によるボランティア増加で、ボランティアルーム一部屋では対応できず、第2ボランティアルーム(ふれあいサロン)を福祉センター1階に開所しました。 さらに、青梅市VCでは90年「ボランティアのまちづくり推進事業」(ボラントピア計画の指定を受け、ボランティアの推進に取り組むことになりました。

市内における需給調整事業を中心に行なってきた、それまでの青梅市VCの取り組みに対して、多様化・拡大化するボランティア活動の情報・研修・調整・ネットワーク等を行ない、新しい時代に対応するVCを作ろうというこの事業は、新任のコーディネーター一人では到底進められるものではありません。一方、ボランティアの相談・紹介・調整といったコーディネート機能は、電話を受けた人が対応するといった個人的な対応から、常勤のコーディネーターによる継続的な対応を取るようになり、「ボランティアで対応するもの」と「ボランティアでは対応しきれないもの、すべきでないものを検討し」必要なものは行政の制度やその他の該当する機関に紹介するような組織的な対応をとるようになりました。
また、当時は青梅市VCには関わりが薄かった、教育・国際交流等の分野でボランタリーな活動を行なっている人たちにも、「福祉のまちづくり」という視点から個々の領域を越えたネットワークを図るため、センターの運営に直接参加してもらうような努力を始めるなど、「社会奉仕センター」から「ボランティア・センター」への体制が整備され、拡大するボランティア活動の領域への対応が図られました。

3.ボランティア活動の転換期

「社会奉仕」から「市民活動」ヘ流れは、ボランティア活動が一部の奇特な人による「奉仕・善意・善行」としての活動から「様々な分野の市民活動」という認識に大きく移り変わって行く時期でもありました。
障害者や高齢者の在宅生活の応援活動を通じての「共存・共生」の発想や、国際交流・海外支援でのNPO(非営利団体)を中心とした、市民の自主的な取り組み、企業の社会貢献、学校教育でのボランティア活動の評価など、社会の各方面から様々な期待を寄せられ、VCも大きく変化していくことが必要となりました。

「広報啓発事業」では、それまで青梅市VCに関わるボランティアの人たちだけに送付していた情報紙を全戸折込等により一般市民に広めていくシステムへの取り組み等が行なわれました。

「研修事業」では、講義・講演中心の教え込む形の講座から、自分で感じたり気づいたりすることを重視した体験学習の取り組みを中心としたものへの移行が進められました。(中学生・高校生ボランティアスクール等)
また「相談事業」では、近年の高齢者施策の充実により、趣味や生きがいを応援するような生活の質を支援するための活動や、外国人・環境・まちづくり・エイズ等のような今まで狭義の福祉という範囲に入らなかった様々な問題に取り組むボランティア・グルーブとのネットワークによる活動も始まっています。

しかし、拡大する一方のボランティア活動の領域や、ボランティアの意識の変化等、さまざまな問題や相談が寄せられ、現在の体制では対応しきれない状況もあり、長期的な視点で事業の見直しを図り、今後のVCのあり方を考える時期にきています。
社会福祉法人
青梅市社会福祉協議会

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